真砂

じつは私の中で真砂というキャラクターは確立していない。彼女は夜叉紫という作品のタイトルロールなのですけど、ずっとその視点というのは話中で排除されてきたのですね。物語のほとんどは貴章視点で描写され、たまに武流や誰かのそれが混じるだけだった。その真砂が「アリストファネス〜」で初めて一人称での登場を果たしたとき、まあ穏当には済むまいなと私は思っていたのですけど、案の定それまでの描写を悉く覆すような聞かん坊ぶりを発揮してくれたわけです。あの最終話を三人称で書いていたらまた違った趣になっただろうと思っていますが、ふだん己を語ることをしない人間の中身をむりやり開かせてみたら、あんなものになるだろうかと、今では自分で納得しています。あれが真砂の本心すべてというわけではなくて、彼女がいつも言葉にできていないところを強いて作文させてみたら、ちょっと自分を斜にみてひねくれた人間像ができてしまったと、そんなところなのだろうと。
そんなこんなで、伊津楽での真砂も揺れているのですねー。彼女には自分がない。ずっと貴章の臣として己を殺してきたから、さあ自由にしろ、なんでも好きにしろと言われても、困ってしまう。それで、どこかで見たようなステレオタイプの反応を言い訳のように示してしまったり、こうすれば貴章が喜ぶだろうかと貴章の顔色を窺ってしまったりする。性的なことに関しても、自分の興味というよりは貴章に気に入ってもらいたい一心であれこれ調べているので(主にネットのエロサイトで/笑)、ああいう極端な、エロゲか何かみたいな反応を示してしまうわけです。身体の反応とは別の次元で、貴章に媚びている。そのことに貴章が気づいたとき、また二人の関係がどう変わるかなーと私は楽しみにしているわけですが、まあ、真砂の身体が開発されまくってることには変わりないので、いきなり淡白になったりはしません。ただ、もすこし大人の関係になれるかな、と期待しています。伸び代があるのは真砂のほうなので、そのうち貴章を良い意味でびっくりさせるようになるかもしれません。


そんなこんなで、おへんじですー。
ひとことご送信の皆様もありがとうございました。ハート潤うぽちっと感謝☆


>「えろいはずなのに」の御方
私の書くエロはエロくないことで定評があります(笑) 今回、オノマトペを導入してエロさ増量を計ってみたのですけど…まだまだ修行不足のようです。精進します! 押忍! ありがとうございましたー!


>「本編と差がありすぎて… 」の御方
スピンオフだしと思って好き勝手に書いてたらああなりました(笑)お楽しみいただけましたら幸いです。お言葉ありがとうございましたー!