YAKSA

夜叉紫の小ネタです。


IDFEが開発してるヤシャという航空機は、民生機というけれども具体的にどんな用途で使われることを想定しているのか、という話を友人としました。んっとですね、私がまず考えてたのは災害救助活動です。ヤシャはスピードやパワーにはさほど優れていませんが、GCFを積んでいるのでVTOLホバリングは自在ですし、ヘリコ以上に行動自由度が高いです。たとえばヤシャはどんな姿勢でも(ロール・ピッチ・ヨー)その状態のまま空中静止することができます。そうすることにどんな利点があるのかはさておき、ですが。で、鋭敏なセンサ類を搭載していて、SSSという形でパイロットの意識活動を反映した『人間的な』探査ができる機械です。なので、大規模な災害があった現場の上を飛び回って大量のデータを集めて地上部隊に提供したり(TILsの応用)あるいは山岳救助などで広い区域から小さな生体反応を探し出したりといった場面で強力なツールになるんじゃないかなーと思ってます。
もちろん軍用に使うことも可能です、というかそれだけのポテンシャルを持つ機械が使われないわけがないと思うのですが、IDFEは国際機関なので、国際協調や平和を掲げる理念上、予算を使って軍用機を開発することが建前的にやりにくいのですねー。それで民生用途にこじつけ?て開発を行なっています。GCFやSSSの技術情報は出資国に還元されるので、もともとの軍事大国はあまり面白くない思いをしているかもしれませんが、小国にとってはわりあいウマーな話になっています。
弱点は大飯食らいなこと。GCFはものごっつい燃料食います。ブルはそのへん地道に省エネ化の技術開発に取り組んでいます。それから試作機なので操縦性がこなれていなくて、扱いがむつかしいです。
そんなこんなでまだ汎用化には至っていませんが、IDFEがせっせと宣伝してるので、世間一般からは概ね好意的な評価を貰っています。航空ファン向けの見学ツアーとかもあったりして、そういうときは貴章が星了を操縦してアクロバット飛行をやります。英雄はいろいろ忙しい。
あと星了はコメ海軍の演習に参加させてもらったことがあります。試験機なので重要でない区域に配備されたこともあり、これといった成果には繋がりませんでしたが、旺盛な好奇心やきてれつな行動力を発揮して関係者を驚かせました。なお、星了が人間的な知性を有するのは貴章が彼女の教育に関して異常なまでの労力を傾注したからであり、ヤシャの二号機や三号機はあんなに人間じみた言動はしません。ふつうの機械っぽいです。


…という話をぺらぺら喋っていたら、「あんたがオタクなのはよくわかった」とばっさり斬られました。すんません。